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モンゴルの自然:地理・気候・野生動物・化石

地理と気候

国土・地形

モンゴルは、ユーラシア大陸にある、東アジア北部の内陸国です。南から東は中国の内モンゴル自治区、西は新疆ウイグル自治区、北はロシアと国境を接しています。面積は日本の約4倍で、地域によって気候が大きく異なります。

地形は西が高く、東が低くなっています。西には標高4,300mを超えるアルタイ山脈や、標高3,500mのハンガイ山脈がそびえ、東には標高1,000〜1,500mの高原が広がります。南には乾燥した砂漠地帯、北には緑豊かな針葉樹林の中に湖が点在し、中央部は主にステップ(草原)です。

湖沼は約3,500、河川は約7,000あります。北に流れる川はバイカル湖やエニセイ川に注ぎ、東に流れる川の一部はアムール川に合流しますが、それ以外は、湖(塩湖を含む)に流れ込むか、大地に消えてしまう内陸河川です。

4つの地域に分けられる自然環境

砂礫地帯(ゴビ)南東部の大部分には、標高平均1,000mの砂礫(砂利と小石)の土地が広がります。ザク(サクソール)と呼ばれる木のほかには、樹木はほとんどありません。このような土地を、モンゴル語で「ゴビ」といいます。国土面積の約27%を占め、年間降水量は50〜80mmと少ないのが特徴です。日本では「ゴビ砂漠」という言葉で表されるため、荒涼とした不毛の大地を想像しがちですが、地下水は豊かで、草もまばらに生えています。モンゴルの人口の約10%が、ラクダや山羊を中心とした家畜を放牧して、ゴビで暮らしています。冬や春の冷たい風を遮る場所のない厳しい地形ですが、この広大な空間は、地元の人にとって、天地の間に生きている実感をもてる場所になっています。
草原地帯(ヘール・タラ)北上するにつれて、草が密に生えた「ヘール・タラ」と呼ばれる草原地帯に入ります。起伏がほとんどない平地に、樹木は生えず、草丈の短い草原が広がる大ステップ地帯です。放牧されている家畜は、羊が目立つようになります。
肥沃な土地(ハンガイ)さらに北上すると、草原は起伏を見せ、斜面の北側には樹木が目に入ります(南側は乾燥のため木が生えません)。起伏の間を川が流れ、モンゴル人が「肥沃な土地」と表す「ハンガイ」地帯に入ります。北上するにつれて樹木が多くなり、シベリアのタイガ地帯へとつながります。降水量も豊かで、湖も多く、草丈は高くなります。
山岳地帯西部には、アルタイ山系の山岳地帯があります。西端のバヤンウルギー県から、ホブド県、ゴビアルタイ県の3県にまたがって、東西約600km、標高3,000〜4,000mの長大な山脈が連なります。モンゴル、ロシア、中国の国境が交わるタバン・ボグド山地には、最高峰のフイテン峰をはじめ、4,000m級の山々があります。緯度も標高も高いため、夏でも降雪があり、白く覆われています。

気候

北から南に向かって、タイガ気候、ステップ気候、砂漠気候の順に現れます。標高1,350mのウランバートルは、「世界で最も寒い首都」のひとつともいわれ、典型的な大陸性のステップ気候に属します。年間平均気温はマイナス0.32℃、年間平均降水量は東京の4分の1以下ですが、降水量の約70%が夏に集中しています。1月の平均気温はマイナス21.4℃、7月は19.1℃と、気温の年較差が大きく、地域によっては年較差が90℃に達するところもあります。

春(ハワル)2〜4月天候が目まぐるしく変わります。突然の吹雪や砂嵐、雨交じりの雪が降るなど、非常に不安定です。1日の中で急に気温が変わることもあり、日本の春のようなのどかな季節ではありません。
夏(ゾン)5〜7月草原が緑のじゅうたんと可憐な花で覆われます。地域によっては最高気温が35℃近くになりますが、湿度が低く快適です。一方、朝晩は10℃近くまで冷え込むため、昼はTシャツ、朝晩はジャケットなど、調整が必要です。日中でも突然の雨で気温が急に下がることがあります。
秋(ナマル)8〜10月天候は安定していますが、9月に入ると気温が下がり、雪がちらつき始めます。樹林帯や草原は黄金色に染まります。草原では羊の解体が行われ、冬支度が始まります。
冬(ウブル)11〜1月最も寒さが厳しいのは、12月末から1月末ごろ。ウランバートルでは、平均最低気温がマイナス30℃近く、日中でもマイナス15℃前後までしか上がりません。夜空には満天の星が輝き、晴れた昼には、ダイヤモンドダストがきらめくこともあります。

モンゴルの風土が生み出すもの

内陸性気候のモンゴルは、海洋の影響を受けにくく、平均標高1,500mと高地にあるため、空気が乾燥し、寒暖の差が激しいのが特徴です。寒い季節は長く、半年以上続きます。気温はマイナス30〜40℃に達することもあり、北西部ではマイナス50℃に及ぶこともあります。一方、夏は30℃、ゴビ地方では40℃に達することもあります。年間の寒暖の差は50〜60℃、1日のうちでも、20〜30℃近くなることもあります。年間を通して降水量が少なく、全国平均で約200mm。降水量が豊かなハンガイ地方でも約400mm、ゴビ地方では50〜80mmしかありません。この激しい乾燥と厳しい寒さが、モンゴル草原の風土を育ててきました。

微妙なバランスの上で成り立つ暮らし

激しい乾燥と寒さをもたらすモンゴルの気候は、農業に適していません。畜産でも、過酷な自然条件のなかで、いったん家畜が草を根ごと食べてしまったり、耕作で掘り起こしてしまうと、乾燥に加えて、砂礫性の土質のために、再び草が生えてくるのが難しくなります。そのため、家畜を一定の場所にとどめておくことはできず、移動することが求められます。

自然や人間のちょっとしたいたずらで少しでもバランスが崩れると、たちまち大きな影響を受けかねません。夏にわずかでも雨量が少ないと干ばつを招き、秋に雨が多いと、干し草が腐って冬を越せません。冬の雪が多いと、羊や山羊は餌にありつけず、雪が少ないと、水の代わりに雪を食べて水分を補っている家畜に飲ませる水がなくなります。モンゴル人が農耕ではなく家畜を飼っているのは、こうした気候風土がなせる業なのです。

旅行者への活用ポイント

  • 夏は昼夜の寒暖差が大きいため、薄手の上着を必ず用意しましょう。
  • 春(2〜4月)は天候が不安定です。観光には、天気が落ち着く夏〜秋がおすすめです。
  • 冬は寒さが厳しい反面、星空やダイヤモンドダスト、氷上のイベントなど、冬ならではの魅力があります。

野生動物と鳥類

モンゴルで出会う動物は、家畜だけではありません。野生動物たちも、北西部のアルタイ山脈などの山岳地帯、南東部の乾燥したゴビ地域、北部のタイガ(針葉樹林帯)など、特有の生態系のなかで、たくましく生きています。

野生動物

モウコノウマ(Equus ferus przewalskii)野生馬。一度は絶滅しましたが、飼育下での計画的な繁殖により、野生に戻されました。ホスタイ国立公園などに生息しています。モンゴルでは「タヒ」と呼ばれ、たてがみが短く、立っています。
オオカミ(Canis lupus)モンゴル全土に生息します。草原で家畜を襲う動物として恐れられる一方、近寄りがたい孤高さと威厳から、畏怖の念を抱かれています。
コサックギツネ(Vulpes corsac)モンゴル全土に生息。体長47〜65cm、尾長25〜35cm、体重約2.25kg。柔らかい体毛で厚く覆われ、背面は灰赤褐色。耳の先端が尖っています。
モウコガゼル(Procapra gutturosa)モンゴル東部の大草原で、草を求めて移動する、野生のウシ科の動物。広大なエリアを不規則に放浪します。年に一度、出産のために、モンゴル北東部に大集結します。
シベリアアイベックス(Capra sibirica)山岳地帯でも、特に険しい尾根を好みます。毛色が岩場に似ていて、見つけるのが難しい動物です。オスの角は1mになるものもあります。
コウジョウセンガゼル(Gazella subgutturosa)発情期にオスの喉元(甲状腺)が腫れたように見えることから名づけられました。モウコガゼルより少ない水で生きられます。絶滅危惧種。
アジアノロバ(Equus hemionus)アジアに生息する野生のロバ。約1万頭のうち、約8,000頭がモンゴルのゴビに群れで生息しています。体は淡黄色で、たてがみと尾は黒色、背中の中央に黒線があります。
アルガリ(Ovis ammon)アルタイ山脈を中心に広く分布する、世界最大の野生種の羊。体長約2m、体重約180kg。オスの角は、ねじれながら前方外側に伸びています。
シベリアマーモット(タルバガン)(Marmota baibacina)モンゴルでは「タルバガン」と呼ばれます。体長50〜60cm、体重6〜8kgの齧歯類。草原や半砂漠などの巣穴に生息します。絶滅危惧種。ペストの保菌者ともいわれています。
キタナキウサギ(Ochotona hyperborea)ユーラシア大陸北部に広く分布します。北海道にいるエゾナキウサギは亜種ですが、鳴き声がやや異なります。丘陵の岩の隙間などに生息します。ウサギですが、耳が丸くて短いのが特徴です。
シベリアシマリス(Tamias sibiricus)モンゴル北部の森林などに生息。体長13〜16cm、尾長8〜13cm、体重50〜120g。頭部は灰色から赤茶色で、背中に縦縞模様が入ります。
キタリス(Sciurus vulgaris)モンゴル北部に生息。体長15〜25cm、尾長15〜20cm、体重約400g。冬は灰色、夏は茶色の毛に生え変わります。冬は、耳に長い房毛が生えます。
オナガホッキョクジリス(Urocitellus undulatus)モンゴルの北部、西部に群れで生息。体長21〜32cm、尾長10〜14cm、体重250〜580g。尾には茶色と黒色の縞があります。
キャンベルハムスター(Phodopus campbelli)中央アジアから北アジアにかけての大草原や半砂漠地帯に生息。体長7〜13cm、体重30〜40g。ほかのハムスター同様、夜行性です。
ヨーロッパアナグマ(Meles meles)タヌキに似ていますが、体つきがずんぐりして、足が太くて短い動物。巣穴にひそみ、夜に出歩きます。北部、中部の針葉樹林帯などに生息します。
オオミミハリネズミ(Hemiechinus auratus)体はずんぐりして、針状の毛が生えています。口先は尖り、尾は短い。危険を感じると、針状の毛を立てます。ゴビ地域に生息します。

鳥類

モンゴルは、野鳥観察の人気の地のひとつです。環境ごとに異なる野鳥たちが生息していて、クロハゲワシやソウゲンワシなどの猛禽類をはじめ、アネハヅルやカモメなどの水鳥もよく見かけます。西部の湖沼には、シーズンになると、渡り鳥たちの大群が集まり、水面が埋め尽くされることもあります。

クロハゲワシ(Aegypius monachus)体長1mを超え、全体が暗褐色で、首すじには長い羽毛があります。耳の後ろに肉色の皮膚が露出。主に死肉を餌とします。
ソウゲンワシ(Aquila nipalensis)体長62〜81cm。成鳥は全身茶褐色。獲物を丸呑みにするための大きな口は、目の縁のあたりまで切り込まれています。
ヒゲワシ(Gypaetus barbatus)体長115cm。翼を広げると3m近くになります。喉部からヒゲのようにふさふさした黒い毛が生えています。山岳地帯に生息し、死肉を食べます。
シロエリハゲワシ(Gyps fulvus)食性は死肉や死にかけている大型の獣類。大型のハゲワシで、開けた地域に生息します。名前は、白いエリ状の羽毛が由来。嘴が強くて大きい。
ワキスジハヤブサ(Falco cherrug)体長43〜56cm。ステップなどの平原に生息します。食性は動物食で、鳥類、哺乳類を捕食します。鷹狩りに使われます。
イワシャコ(Alectoris chukar)くっきりした白黒の縞が脇にあり、黒い帯が額から目、首、胸にかけて、白い喉を縁取ります。茶褐色の背、灰色の胸、薄黄色の腹をしています。
オオライチョウ(Tetrao parvirostris)オスの体長は約90cmで、全体に暗緑色。メスは体長約60cmで、体が褐色のまだら模様で、胸に赤い帯があります。ユーラシア大陸北部の針葉樹林に生息します。
ノガン(Otis tarda)嘴と足は淡灰褐色で、足は太い。側胸から胸にかけて茶色。メスはオスよりも小さく、草原や農耕地に生息します。
アネハヅル(Anthropoides virgo)ツル類の中で最も小さく、水田、畑、湿地等に生息します。モンゴルでの個体は、インド方面に渡るとき、ヒマラヤ山脈を越えることで有名です。
インドガン(Anser indicus)頭部が白く、眼の後ろと耳後方から後頭に2本の黒線があります。ヒマラヤ以北のモンゴルの高地で繁殖し、冬はインドに渡ります。
キンメフクロウ(Aegolius funereus)全長20〜25cm、翼長は50〜62cm。その名のとおり、金色の目が特徴です。夜行性で、昼間は針葉樹の茂みの中の横枝に静止しています。
ルリガラ(Cyanistes cyanus yenisseensis)広葉樹林や灌木林などに生息。頭部と顔、喉からの体下面が白く、背や肩羽は青灰色で、尾はやや長め。嘴は暗鉛色です。
コウテンシ(Melanocorypha mongolica)体長約18cm。頭が赤褐色で、頭頂は灰白色。目の外縁と眉斑は薄褐色。体の下面は白く、胸から胸側には大きな黒斑があります。
ハシナガサバクガラス(Podoces hendersoni)全身が赤褐色で、黒い頭。飛翔時には白い風切が目立ちます。灌木の中を移動することが多く、砂漠に近いステップ環境に生息します。
オグロシギ(Limosa melanuroides)湿地、河口などに生息。嘴は長く、真っすぐで、淡い肉色で先が黒い。足も長くて黒い。メスはオスに比べて体が大きい。
ベニハシガラス(Pyrrhocorax pyrrhocorax)体長約40cmのカラスの仲間。名前のとおり、嘴が鮮やかな赤色で、足も赤色なのが特徴。ユーラシア大陸とアフリカ大陸の一部に分布します。
モンゴルセグロカモメ(Larus mongolicus)嘴と足がやや橙色に近い黄色。嘴は少し太めで、先が膨らまない傾向があります。背や翼上面は青灰色。
ヤマウズラ(Perdix dauuricae)全長約30cm。草原地帯、高原、岩の斜面などに生息するキジ科の鳥。橙色の顔と、嘴の下のあごひげのような長い羽が特徴です。
ゴビズキンカモメ(Larus relictus)全長約44cm。成鳥の背中や翼上面は淡い青灰色。夏羽の頭部が黒い様子から、この名がつきました。内陸性で、海洋部にはあまり出ません。
クロジョウビタキ(Phoenicurus ochruros)全長約15cm、翼長23〜26cm。オスは全体的に黒く、羽に白い模様、尾羽根が橙色。メスは茶色っぽい。山地の崖や岩場に生息します。
ノウメンスズメ(Passer ammodendri stoliczkae)ゴビ砂漠の中のかぎられた地域に生息します。特徴的な顔立ちをした、砂色のスズメです。
ヤツガシラ(Upupa epops saturata)平地から低山の草地や農耕地に生息。昆虫の幼虫を食べます。何かに警戒したときに冠羽を立てます。樹洞などに営巣します。

観察のヒント

  • 野生動物は、車で移動中にも見られます。ナキウサギやタルバガンの巣穴、湖で羽を休める水鳥など、予想以上に身近です。
  • 見られる動物は、地域と季節によって大きく変わります。ゴビ、草原、山岳、タイガと、行く場所によって、出会える動物が違います。
  • 双眼鏡や、望遠レンズを持って行くと、より楽しめます。野生動物には近づきすぎないようにしましょう。

化石の宝庫、モンゴル

モンゴルは、世界でもトップレベルの恐竜化石の産出国です。

なぜ化石が多いのか

恐竜が生きていた中生代(約2億〜6,600万年前)、モンゴルのある地域には、河川や湖が広く分布し、砂漠も点在していました。今よりも湿潤で、大型の生き物が暮らすのに好条件でした。内陸にありますが、当時はシベリア西部に、北極海から南に向かって海が広がっていて、そこから湿った空気がモンゴルに流れ込んでいました。また、恐竜の時代には、アジア南部のヒマラヤ山脈はまだなく、インド大陸はインド洋のはるか南にありました。

ゴビ砂漠は、中国北部からモンゴル南部に広がる、極度に乾燥した地域です。ここに分布する中生代の地層から、多くの恐竜化石が出ます。化石を含む地層は、当時の河川、湖、砂漠で堆積した砂岩や泥岩で、多様な自然環境があったため、恐竜の生息環境も多様でした。地層からは、骨の化石以外に、足跡や卵(殻や巣)も大量に見つかっています。また、恐竜以外にも、鳥(肉食恐竜から進化)、翼竜、ワニ、カメ、トカゲ、魚、原始的な哺乳類の化石も豊富です。川や海にすんだ魚、昆虫、植物の花粉・葉・樹幹(珪化木)なども多く見つかっています。

モンゴルで発見された恐竜

ゴビ砂漠から発見された恐竜は70種類にも及び、そのほとんどが新種です。有名な恐竜として、プロトケラトプス、シッタコサウルス、サウロロフス、タルボサウルス、ベロキラプトル、オビラプトルなどが挙げられます。

オピストコエリカウディア全長約10mの竜脚類。長い首と尾をもち、四足歩行をします。
プロトケラトプス/シッタコサウルス角竜類で、北米のトリケラトプスと近縁。プロトケラトプスは、全長約2mの小型の植物食恐竜です。
サウロロフス二足歩行の植物食。頭に骨でできた大きなトサカがあり、オスがメスにアピールするために役立ったと考えられています。
タルボサウルス全長約7mの巨大な肉食恐竜。北米のティラノサウルスとほとんど見分けがつかないほど近縁です。
ベロキラプトル全長約2m。小さく鋭い歯と大きな鋭い爪で獲物をしとめました。ベロキラプトルとプロトケラトプスが、格闘したまま砂に埋もれて化石になった、非常に珍しい標本も見つかっています。

恐竜が産んだ卵や、卵を産みつけた巣の化石にも、さまざまな種類があります。恐竜の種類によって、卵や巣の形が違います。これらの卵は、ゴビ砂漠を訪れると、比較的たやすく見つけられます。卵の中に胎児の骨が残ったチティパチの化石や、巣の中で、腕を鳥のように広げて卵を守るようにして死んだチティパチの化石もあります。プロトケラトプスの子どもが、約20頭の集団で化石になった例もあり、恐竜の集団行動を示す、興味深い発見です。

壮観なのは、恐竜の足跡の化石です。数cmから1m以上にわたる足跡が見つかっていて、二足歩行の3本指の肉食恐竜や、四足歩行の大型の植物食恐竜の足跡が、たくさん残っています。

これらの貴重な恐竜化石は、ソ連(当時)、ポーランド、米国、日本とモンゴルとの共同調査隊によって、発掘・研究されてきました。研究成果と標本は、現在、ウランバートルのフンヌ・モールに展示されています。

有名な産出地

恐竜化石が大量に見つかる有名な産出地は、南ゴビ県のバヤンザグ、ツグリキンシレ、ヘルミンツァブ、バイシンツァブ、そしてバヤンホンゴル県との県境のブギンツァブ、ゴビスンベル県のフルンドホ、ドルノゴビ県のホンギルツァブ、バインシレなど、数多くあります。ゴビ砂漠は、日本ではまったく見ることのできない特別な場所です。大規模な砂丘や広大な塩湖、乾燥した草原が広がり、その中に、恐竜化石をたくさん含んだ地層が、広大な崖をつくって分布しています。

恐竜以外の化石

  • ゴビ砂漠南東部のザミーンウードの近くからは、約3,400万年前の哺乳類の化石が、たくさん出ます。当時は、今では絶滅したサイやバク、原始的なシカ、巨大なイノシシが歩き回っていました。
  • モンゴル西部のホブド県やオブス県では、約700万年前の地層から、原始的な馬、サイ、ゾウ、キリン、ハイエナ、トラなどの化石が見つかります。当時のモンゴルには、アフリカのサバンナのような風景が広がっていました。

見学の仕方と注意

  • 恐竜化石の産出地へは、国内線で近くの県庁所在地まで飛び、そこから車で行けます。時間はかかりますが、整備された道路を使って、ウランバートルから車で行くこともできます。
  • 各種ツアーを企画している旅行会社もあるので、ツアーに参加するのがよいでしょう。
  • 許可を受けた専門家以外による、恐竜化石の発掘・収集は、法律で禁じられています。
  • 自然保護区にある産出地を訪れるときは、政府の特別な許可が必要な場合があります。
  • 化石の国外への持ち出しは禁止されています。ご注意ください。
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