ホンゴル砂丘

ホンゴル砂丘(ホンゴリーン・エルス)は、ウムヌゴビ県のセヴレイ郡とバヤンダライ郡にまたがり、セヴレイ山脈とゾーレン山脈の背後に沿って約180kmにわたって続く砂丘です。北西から南東に延び、面積は約965㎢。最も広い北西部で幅27km、最も細い中央部で幅800mです。
砂丘の頂上に立つと、はるか先まで数百もの砂山が続いて見えます。南側には岩山、中ほどには草も生えない砂丘、北側のふもとには川が流れて緑のオアシスが広がります。山脈から流れ下った雨水は砂丘の中を抜けて地中にしみ込み、北端でセルーンとアルガンガという泉となって再び地上に現れ、砂丘の縁を西へ10km余り流れます。これがホンゴル川です。
風の強い日は砂嵐で周囲が見えなくなりますが、風のない晴れた日は金色に輝き、自然の壮大な美しさを感じさせます。砂丘の後ろに生えるサクサウルは、昔は背が高く密に茂り、中でラクダを見失うほどだったと地元の長老は語ります。
砂丘でいちばん高い部分は「ドゥート・マンハン(歌う砂丘)」と呼ばれます。頂上に立つと、周囲の人や家畜の声、風に舞う物音がはっきり聞こえ、ふもとの車は小さな虫のように見えます。仰向けに寝ると、飛行機が飛ぶような音が聞こえるほどです。この音は、日に温められた砂がやさしい風で流れ落ちるときに出る音で、地元の人はそれを「歌う砂丘」と呼んでいます。
登るなら、日の出か日没の時間帯がおすすめです。昼は砂の表面がとても熱くなり、歩くのが大変です。砂は崩れやすく急な斜面は登れないので、尾根づたいに次の頂へ渡り歩くと疲れにくくなります。砂丘の端に着くまでに、低木の生えた約2kmの道を通りますが、この低木はラクダのえさです。歩くよりラクダに乗ったほうが楽に進めます。
目の前にそびえるハタン・セヴレイ山は、女性を守る山として地元で信仰されてきたことから「ハタン(王妃)」の名で呼ばれています。岩には多くの岩絵が残り、5頭のアイベックスを追う、4人の騎馬の狩人の絵は貴重なものです。弓矢が簡素な形で描かれており、青銅器時代の弓かもしれないと研究者はみています。
こんな伝説があります。昔、ゴビのある貴族に、気性の荒さで知られるセヴレイという王妃がいました。貴族は家臣の勧めで王妃を遠くへ追放します。怒ったセヴレイは兵に守られて遠くへ向かう途中、手鏡を投げ捨てました。鏡は粉々に割れ、「トリ・ハド(鏡の岩)」になったといいます。セヴレイは毎日悲しみながら、川辺で黒い髪をとかしていました。見張りの兵の中のホンゴルという勇者が、悲しむ王妃を気の毒に思ううちに恋に落ち、彼が川へ通う道で踏んだ石がすべて柔らかくなり、やがて「ホンゴル」という砂丘になったと伝わります。
のちに貴族は、叱りつけた王妃を恋しく思い、トリ・ハドにやって来ては王妃の顔を眺めていました。そのため岩の前に「ノヨン(貴族)」という山ができたといいます。長い年月がたち、トリ・ハドも灰色にくすんでしまったそうです。
フォトギャラリー
ご希望の日程・人数をお知らせください。
お問い合わせ








