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モンゴルの暮らしと文化を知る
古来モンゴルでは、自然界の万物には神が宿っており、その頂点に君臨するのが天の神だと信じられてきました。この天神へ、生贄として家畜などを奉納する際、遊牧民たちが神への目印として、石を高く積み上げて塔を作ったのが、オボーの起源といわれます。現在も、モンゴル国内の各地で、多種多様なオボーを見ることができます。
道しるべ的なオボーで、小高い丘の上にあります。モンゴル旅行中に最もよく目にするオボーです。旅人はここで休憩し、道中の安全を祈願します。通りかかった者は、必ず立ち寄り、小石や紙幣を塔にお供えしていきます。乗馬中なら、たてがみを3本抜いて奉納します。オボーを右回りに3周しながら、「オボーの恵みはあなたに。収穫の恵みはわたしに」と唱えるのがならわしです。現代では、「お金が儲かりますように」などと祈りながら石を積む人も増えたようです。
目印になる山もないような、見渡すかぎりの大草原のなかで、ランドマークとして作られます。
ロシアや中国との国境沿いに、点々と置かれています。
湧水が出ている場所にあります。土地の人々が、水の恩恵に感謝して作ります。ここの水を汚すと、泉の神の怒りを買い、伝染病が広まり、やがて泉の水も枯れてしまうといいます。
温泉の効能によって体調が改善した人々が、感謝の気持ちを込めて石を積んでいきます。紙幣やハダグのほか、療養中に使用していた松葉杖なども置かれているのが物珍しいです。
王族の宿営地になった場所や、英雄を埋葬したといわれる場所、戦場の跡地などに作られます。戦に出かける兵士が、ひとつずつ石を置いていき、無事に生還したら、その石を持ち帰ったとも聞きます。
その土地の神聖な場所にあります。このオボーは、土地の権力者のみが作ることができます。ここでの動植物の殺傷は禁忌です。穴を掘って宝飾品や麦などの五穀を入れた壺を埋め、その上に石を積んで塔を形作り、頂点に木の枝を刺したら、最後に神聖な布である青いハダグを飾ります。
道のオボーに出合ったら、立ち寄ってみましょう。右回りに3周し、小石をひとつ積むだけでも、モンゴルの人々の祈りに触れる体験になります。